2010/09/15

直島旅行 7

地中美術館を少し下った場所に李禹煥(リー・ウーファン)美術館へ行く

この建物も安藤忠雄氏による設計、入口から細く長いコンクリートのアプローチがあり美術館内部に入る前にまず作品柱の広場『関係項-点線面』に直面する。コンクリートで作られた高くそびえる柱、その背後左右に配置された自然石と鉄板、広場と海岸へ続く境界に7本の樹木が植えられてあった(元からそこにあったのかもしれない)。その奥に谷間の地形を活かした美術館内部へと続くのだが、通路を歩いていくともう1つ中庭のような空間が出現し照応の広場『関係項-合図』が設置されている。次に出会いの間と言われる、70年~80年代を代表する作品が合計8点ほどが展示されていた。絵具やキャンバスをただ描くための素材ではなく別の方向性、例えば平面を構築する物質として捉え直しそのものの持っている意味や別の平面のあり方を考えはじめた頃、李禹煥・高松次郎・斎藤義重・榎倉康二など多少なりとも影響をうけていたこともあり、氏の展覧会も何度か見させてもらっているのだが、この照応の間は展示空間に対して作品数が多いように思われた。それは個人的な理由もあるが、過去の展示を見ているからか、1つの作品に集中しようとしてみても視界に別の作品が入ってきてしまう。次の作品へ視線が誘導されるように入ってくるのとは違ってみえた。そしてもの同士の関係が全ての作品で同じように反復しているよう感じられた為にここまでの作品数は必要なのかと考えてしまった。その後は沈黙の間や影の間、瞑想の間などがあった。見終わると全身灰色の服装に統一している学芸員が立っていた。外には海とそれに向かって設置されている『関係項-対話』の作品の間に、見学者の一人がぽつんと佇んでいた。