2026/07/05

『星廻り』展に寄せて4

佐賀のプロジェクトスペースkenakianで行った『星廻り』展に寄稿していただいたものをこちらの方へも記載いたします。今回は彫刻家の石井琢郎さん


私は石の内側を彫っている。内側を彫っていくとやがて石には穴が開き、その瞬間、内と外の関係が一瞬にして変化する。といった言葉は、作品の構造を示す言葉であるが、作品を作品たらしめるものは、貫通した部分のエッジの形状や見え方、作品自身の身体的な重さといった、言語化できない部分である。烏山は、「絵画」への構造的アプローチとして、木枠を円柱にし、エッジをなくすことで画面の終わりを無効化する。また、正方形に作られた支持体の形を作品内に取り込み、フラクタルを作り出すことで絵画における枠の問題を無効化し、絵画の拡張性を効果的に作品化している。しかし、それは構造的な問題であり、作品を作品たらしめているものは、一つ一つの素材の選択であり、隣り合う色の選択、手間と時間が費やされた画面へのこだわりといった、感覚的な判断により選択された数々の行為の蓄積に他ならない。理性的に思考された構造の上に、非言語的感性が形を描き出す。その拮抗の中に一つの美が立ち上がっている。石井琢郎(彫刻家)