佐賀のプロジェクトスペースkenakianで行った『星廻り』展に寄稿していただいたものをこちらの方へも記載いたします。まずは音楽家、翻訳家の齋藤浩太さん
漂う点、交わらぬ線
人間烏山秀直の曰く言い難い性癖と苦悩の色は何色だろう、とふと考えたことがある。地元長崎は総じて海山青く大地は肥沃、産する野菜も鮮やかな色である。そこで烏山は笑っているのだが、生息地である諫早や大村に感じる独特の抜けと停滞をパレットに加えたあたりから、結局何色と呼ぶべきなのかよくわからなくなるのだった。10年ほど前はじめて会った頃の烏山の作品は、鮮やかなブルーが占める割合が高かったように思う。いま画面はくすみの色を帯びはじめている。それは様々な土地で採取した砂石塵芥を元に顔料を作り使いはじめた時期と重なっているのだろうが、それだけではないだろう。無数の点でできたパターンが配置され線が浮かびあがる作品らは整然としている。しかし近づいてみると点は思いのほか歪に漂ってい、線は決して交わらない。つまりそこに烏山がいる。構成されたあの整然は、彼の「そうであってほしい世界」なのだろうか。(齋藤浩太 音楽家、翻訳家)
齋藤浩太(音楽家、翻訳家)