2022/10/03

アズマテイプロジェクト#33『美術展覧会 第2回 南條哲章展』のお知らせ



アズマテイプロジェクト#33『美術展覧会 第2回 南條哲章展』に映像作品を出品いたしております。どうぞよろしくお願いいたします。


アズマテイプロジェクト#33

​『美術展覧会第2回 南條哲章』

出品者:南條哲章

会期:2022年9月17(土), 18(日), 19(月), 23(金), 24(土), 25(日)


会期:2022年10月1(土), 2(日), 7(金), 8(土), 9(日), 10(月祝) /  14:00-18:00

 いよいよ伊勢佐木町センタービルでの活動も大詰めを迎るアズマテイプロジェクト(AZP)では、これまで1展示1ヶ月ほどだった開催日程を変更して2週ごとに3つの展覧会をAZP内3つのスペースで開催します。今回の#33で伊勢佐木町センタービルでの活動は節目を迎え、以降再始動へ向けた準備期間に入ります。
 

 #33では、南條哲章による展覧会を開催いたします。AZP創設メンバーの1人である南條は、姉と保育園を設立するだけでなく、幼馴染の運営する美術研究室を支えるなど、多方面から頼りにされる多忙な毎日を送る三児の父親です。2022年4月に開催した#28 『美術展覧会 第一回「南條哲章」展』において展示された他のAZPメンバー4人からのインタビューで「社会人になって間もなく三代続く市議会議員である父親の議員活動をサポートするようになり、次第に南條家の家柄を意識するようになった」と語っていたように、周囲からも謙虚で誠実な人物として親しまれてきました。しかし、美術家たちとAZPの立ち上げに与しこの「アズプロ第四の男=南條哲章とは何者か?」というテーマのもと行われた同展覧会において、インタビューやそれを基に制作された自分の名が冠された作品、さらに出生からの歩みを思い返した半生をメンバー総出で手書きした巻物を目の当たりにしたことで、彼の人生は大きく揺れ動き始めます。「家系ではなく自分自身を意識した」と展覧会後に語った南條は、幼馴染と細君の助言もあり、翌月の2022年5月、武蔵野美術大学通信教育課程デザイン情報学科へ入学。これまでとは異なる視点から「情報・社会・環境」を学ぶべく歩み始めたのです。

 

 今回のアズマテイプロジェクトでは、#28に出品された4つのインタビューの再展示に合わせ、本人の筆による「南條哲章展」レビューを展示します。さらに、美術大学に進学して新たなステージに立った南條より、「過去・現在・未来」をテーマにした人生初となる作品の発表を行います。

 

 どのような肩書きであれ様々な人々と向き合い、そこでの手掛かりをキッカケに人生を模索し続ける。試行錯誤を続ける彼の打ち出す表現が、美術か否かではなく、世の中の何かひとつでも理解するきっかけになればと願う。伊勢佐木町センタービルでの活動によって新しく動き始めたひとりである南條哲章が、この場所でどのような境地を見せてくれるのか、楽しみで仕方がない。 (田中敬一郎)

アズマテイプロジェクト#33『伊勢佐木町センタービル 最後のドローイング』参加のお知らせ



アズマテイプロジェクト#33『伊勢佐木町センタービル 最後のドローイング』烏亭として参加しております。こちらのほうも是非よろしくお願いいたします。


アズマテイプロジェクト#33

『伊勢佐木町センタービル 最後のドローイング』

出品者:烏亭(烏山秀直+東亭順)

会期:会期:2022年10月1(土), 2(日), 7(金), 8(土), 9(日), 10(月祝) /  14:00-18:00

10月10日 (月祝)   19:00 ~
ライヴパフォーマンス : Soft-Concrete × 烏亭 

2021年7月3日開催のアズマテイプロジェクト#23「現れの場 酒井一吉」展初日。外壁に面さない行き止まりのこの部屋(通称3-C)には、花柄のステンドガラスという場違いな明かりとりが備え付けられている。壁を隔てた隣の事務所からわずかばかりの明かりをお裾分けしてもらう狙いだろう。その薄あかりの中に立ち現れたのは、あるべき壁が取り払われ、もはや部屋とは言えない状態をさらす開け放たれた空間だった。両脇の壁は突板(ツキイタ)が剥がされ、木造の軸組(ジクグミ)が露わにされ、剥がされた板が湾曲しながら構造体にもたれかかっていた。亜麻色と胡桃染の2色に塗り分けられたコンクリートの分厚そうな壁だけが、そこが室内であることをかろうじて示唆していた。

同展初日、正面に唯一元の姿のまま残された壁を使って烏亭のパフォーマンスは行われた。アズプロ宣言文を透明な塗料で壁に記し、その文字を炎によって焦がし浮かびあがらせるというものだ。縦書きで4列9行36文字の漢字で表記されていることもあり、壁に焦げついた文字は意味の読み取れない歴史的な碑を思わせる佇まいを見せていた。会期終了とともに、部屋の壁は板がぎこちなく元の場所に打ち直され、強度を増して何事もなかったかのように元通りの姿に戻された。施工時に印として番号がふられたテープやところどころ塗装の禿げた板の継ぎ目だけが、物言わぬ目撃者のようにこちらを窺っているようだった。

 

2021年9月23日開催の#24「闇の中の白い正午 倉重光則」展では、新たに付加された3面の壁に真っ白な塗料が塗られ、床もモルタルで仕上げられた。廊下とこの部屋を仕切る壁、そして天井だけが以前と変わらぬ姿で残されたことを除けば、板の継ぎ目もない小綺麗な新しい空間に姿を変えた。当然、烏亭が行ったパフォーマンスの痕跡は跡形もなく壁の向こうに封印された ―― 現在すでに取り壊しが決定し移転準備の真っ最中であるが、当時はこのビルが解体されるのはまだまだ先だとぼんやり思っていたし、いつの日かやってくる解体業者が白い壁の裏で息を殺して待ち構える焼きつけられた謎の宣言文に気づく瞬間……と、ニヤけるくらいの心持ちだった。――

 

2021年10月30日開催の#25 「ロマンティックに生き延びろ 烏亭」展では、460cm×280cmの巨大な白布に千の生菊花を円形に縫い付けた作品No.30102021-32を、壁の裏に潜む宣言文の少し手前に垂れ下げて発表した。黄、白、紫など大小様々な生菊花を縫い針でひとつずつ縫い付けるという作業は想像以上に過酷であり、親しい友人達の助けなしでは全て縫い付けることは不可能だったに違いない。すでに咲きこぼれるもの、蕾のもの、干涸びた花片を落としていくもの、と不揃いでひとつとして同じものはない。ぎっしりと隙間なく縫いつけようが、優雅に死が侵食を続けながらすべてが土色に変転していった。

 

2022年10月1日から始まる今展では、その美しくも無惨な姿を晒した菊花旗と、壁の向こうに焼き付けられた宣言文を結ぶ制作に取り組む。 緑色の階段をのぼり切ると、点滅を続ける蛍光灯が乾いた音をたてて人けのなさを助長していた。薄暗い廊下を左に曲がると街の喧騒が静かに消え入り、息を潜めなければいけないという気配に包まれ、どん詰まりの閉ざされた空間と対峙する。鈍い光沢を放つ真鍮製のドアノブには、簡素な掛金に施錠されずに南京錠がぶら下がっていた。立て付けの悪い古びた扉を引くと、軋みと同時にすえた匂いがゆっくりと流れ出て、滑るように注ぎ込む淡い光が部屋をぼんやりと浮かびあがらせていた。初めて見る窓枠の構造は昭和モダンなのか、正面に立ちはだかる壁は抽象絵画なのか。そして、不気味に散らばっていた床一面のカラフルなタイル。映画のセットよりも純粋で、上質な空間がそこにあった ―― あれから4年、 アズマテイプロジェクトがここ伊勢佐木町センタービルで行う最後の企画である。我々の宣言は4年前と変わらず、僅かな光さえも溢さずに枯れることはない。(東亭順)

アズマテイプロジェクト#33『藤棚へ』参加のお知らせ


 




アズマテイプロジェクト#33『藤棚へ』に作品出品、座談の場へそれぞれ参加しています。どうぞよろしくお願いいたします。


アズマテイプロジェクト#33『藤棚へ』

出品作家:有原 友一、浅野 純人、東亭 順、江西 淳、原田 直子、石井 琢郎、利部 志穂、海保 竜平、烏亭、烏山 秀直、勝又 豊子、倉重 光則、南條 哲章、小川 浩子、大久保 あり、Rommy 、齋藤 雄介、酒井 一吉、saku 、関 文子、Soft-Concrete、 諏訪 未知、武内 優記、田中 秀和、田中 啓一郎、冨岡 奏子、戸谷 森、辻郷 晃司、山本 利枝子、yomikake 、#30祭り


会期:2022年10月1(土), 2(日), 7(金), 8(土), 9(日), 10(月祝) /  14:00-18:00

座談の場:
10月1日 (土)  16:00 ~ 有原 友一(画家) × 田中 秀和(画家) × 烏山 秀直(画家) 
10月2日 (日)  17:00 ~ 大久保あり(現代美術家) × 酒井一吉 (美術家) × 田中啓一郎 (美術家) 
10月8日 (土)  16:00 ~ 石井 琢郎(彫刻家) × 諏訪 未知(美術家) × 烏亭(P.A.D) 
10月9日 (日)  16:00 ~ 倉重 光則(現代美術家) × 勝又 豊子(美術家) × 烏亭(P.A.D) 
10月10日 (月祝)   16:00 ~ 海保 竜平(写真家) × 田中 啓一郎(美術家) 

        18:00 ~ 移動準備 - 藤棚へ

        21:00 ~ クロージング 

アズマテイプロジェクトは本展覧会を機に、現在の伊勢佐木町センタービルを離れ藤棚町へ場所を移すための準備期間に入ります。 

#33では、ここでの活動を締めくくるべく、我々の活動を支えてくれている作家の作品に焦点を当てた展覧会「藤棚へ」を開催いたします。 展示するのは、これまで来場者へ積極的に語られることがなかった、バックヤードに所狭しと掛けられている作品たち。 活動に関わってくれた作家から直接譲り受けたり、ここでの活動を通して購入してきたこれらの作品たちは、「ここで起きたことを記録する」というメンバーの意志のもと集められた大切なコレクションであり、我々にとって代替不可能な宝物となっています。 

会期中には、作家本人を交えた座談の場を設ける予定です。 作家の生の声を聞ける特別な機会となることでしょう。 また最終日には、新しい場所へ移るための準備を行います。 是非ご高覧ください。 

多くのモノが容易に他の媒体に置き換えられ、たやすく売買される現在において、作品をきっかけに作家と本気で関わり語り合うこと。 それこそがアズマテイプロジェクトのこれまでとこれからを示す活動の証であることを信じて。(田中敬一郎)

2022/09/12

アズマテイプロジェクト#32 『予言』烏亭のお知らせ



PROJECT#32  Prophecy | 予言

Artists: KARASUTEI

プロジェクト#32

"予言"

出品者:烏亭

会期:2022年9月17日(土) - 25日(日) / 会期中毎日開場

時間: 14:00-19:00

揺蕩い 焦がしたるは 麗しき朽ち果つ 擂潰したりて 双なき垢狼煙をあぐ - 烏亭(P•A•D)

2022/09/09

アズマテイプロジェクト#32 『そして、始めに戻る』大久保あり、志田塗装のお知らせ



PROJECT#32

"そして、初めに戻る"

出品者:大久保あり、志田塗装

会期:2022年9月17日(土) - 2022年9月25日(日)  会期中無休

時間: 14:00-19:00

 いよいよ伊勢佐木町センタービルでの活動も大詰めを迎えるアズマテイプロジェクト(AZP)では、このたび大久保ありと志田塗装による展覧会「そして、初めに戻る」を開催いたします。

 大久保ありは、「#20 イタリアの三日月」(2021)に参加し、AZPの空間に合わせた新作インスタレーション「You wouldn’t see the Ghosts」を自作の短編小説とともに発表しました。志田塗装は、「#27 志田塗装 虚実の皮膜」(2022)で、古びた外壁を再現する描画技術やこれまで収集してきた建築物の外壁塗膜のコレクションを初公開しました。大久保が同展に訪れたことから両者の交流は生まれています。志田塗装の仕事に興味を持った大久保は、参加が決まっていた「MOTアニュアル2022 私の正しさは誰かの悲しみあるいは憎しみ」(東京都現代美術館)の自身の展示空間の塗装を依頼しました。現在開催中の同展で大久保が試みているのは、内と外が入れ子状になった大規模な回廊状の空間をつくり、そこに自身の過去の作品を再構成しつつ配置することで、複数の物語と時間軸が交差する「新たな物語」を紡ぐことです。志田塗装は、その回廊の壁面に清澄白河周辺の古い住宅の外壁や現代美術館の外観を模した特殊塗装を施し、さらに会期中にはその壁面にイタズラ描き=作品を挿入しました。大久保作品の文脈から外れた志田塗装のこの行為は、路地裏で目にする日常的光景としての錯覚を起こさせます。一方、今回のAZP展示では、「志田塗装の事務所」への介入が、大久保によって試みられることになります。現代美術館とAZPという2つの場所への同時進行的な挿入と介入は、すれ違いながらも重なり合い、それぞれの物語を駆動させていくことになります。

 アズマテイプロジェクトは、独立した個として活動するアーティスト同士が繋がり協働しながら運営するスペースとして、自主的な表現の場をつくり上げてきました。残念ながらその活動の舞台となっている伊勢佐木町センタービルの幕はまもなく下りてしまいますが、アーティストの自主的な表現の場づくりに終わりはありません。展覧会タイトルの 「そして、初めに戻る」は、一旦終了した舞台のエピローグからこれから始まるプロローグまでの幕間を意味しています。変えられない終わりの不可逆な状況下に置かれながらも、そこに抗うアーティストの姿勢を少しでも感じ取っていただける機会にできれば幸いです。 美術家 酒井一吉

2022/09/01

アズマテイプロジェクト#31『Always Moving』石井琢郎、『 幽邃』海保竜平、『 測量としての線と辿々しい線』田中秀和 個展のお知らせ



プロジェクト#31

"Always Moving, 幽邃, 測量としての線と辿々しい線"

出品者:石井琢郎、海保竜平、田中秀和

会期:2022年9月2(金), 3(土), 4(日),9(金), 10(土), 11(日)

時間:金土日 14:00-18:00

いよいよ伊勢佐木町センタービルでの活動も大詰めを迎るアズマテイプロジェクトでは、これまでの開催日程を変更して2週ごとに3つの個展を3つのスペースで開催します。

 

#31では、彫刻家 石井琢郎、写真家 海保竜平、画家 田中秀和が新作を披露します。石井はAZPの創設メンバーの1人でスペースの立ち上げに尽力し「#03 One Stone」では、巨大な岩を運び込みました。一貫して石をモチーフとし、自身と石にとって異なる時間と記憶を「現在」という共通点によって、重ね合わせていきます。海保は#01から展覧会記録の撮影を請負い「#09 幽邃」では、撮り溜めてきた倒木写真を一挙に公開。朽ち果てながら再生を促す倒木に魅了され、全国各地に赴き「次代に生命を引き継ぐ姿」を写真に納め続けています。田中は「#08 絵画へ向けて」に参加し、様々なメディアを用いて絵画に言及しました。絵画という仕組みをひとつの起点とし、そのルールを守りつつスライドさせながら「絵画の限界点」を模索します。

 

芸術作品は、表現形式や媒体が多岐にわたるにつれ、見る側へ難解さを突きつけ、よくわからないことだらけの世界へ誘います。しかし、裏を返せば私たちはこの21世紀に生きながら、何かひとつでも理解しているのでしょうか。もしくは、ひとつでも多く理解しようと努力しているのでしょうか。3人の作家からは、それぞれが打ち込み、取り憑かれたかのような興味への欲求をちいさな手がかりとし、世界をどうにか把握しようという真摯な態度を感じるのです。

 

石に魅せられ、倒木に歓喜し、逸脱を企てる。それぞれが歩む「道」が、取り壊しの決まったこの場所にどのように繋がるのか。目撃できることが楽しみです。

​石井琢郎 ISHII Takuro

1979年、長崎県生まれ、埼玉県在住。東京藝術大学美術学部卒業、東京藝術大学大学院美術研究科彫刻科修了、東京藝術大学大学院美術研究科博士後期課程美術専攻彫刻研究領域修了。2014年Rokko meets art 公募準大賞、2018年アイスタイル芸術スポーツ振興助成。主な展覧会として、2021 さいたま国際芸術祭 市民プロジェクト「時のきざはし」(埼玉)、2019「One stone」/Azumatei project(神奈川)、2017年個展 肌理のつらなり / 秋山画廊 / 東京、2016年KAAT 突然ミュージアム2016 /神奈川芸術劇場 / 横浜、2015年個展 Reach into it / さいたま市プラザノース / 埼玉、2014年 Rokko meets art 2014 / 兵庫など多数

海保竜平 KAIHO Ryuhei

京都市生まれ。1970年代後半をアフリカのナイジェリア・ラゴスにて過ごす。多摩芸術学園(現・多摩美術大学)写真学科卒業後イギリスへ渡り帰国後フリーランスのフォトグラファーに。ポートレート等、様々な撮影も手がける。2019年「幽邃」アズマテイプロジェクト

田中秀和 TANAKA Hidekazu

2005年武蔵野美術大学造形学部油絵学科卒業。2008年「個展」ART TRACE GALLERY、2009年「hidden place」TURNER GALLERY、2009年「組立」人形町Vision's 、2014年「まちの展」茅野市美術館市民ギャラリー 、2018年 五月祭 田代邸 、2019年「絵画へ向けて」アズマテイプロジェクトなど。

2022/06/25

アズマテイプロジェクト#30「わしの、あたいも逸品(芸術)祭」のお知らせ

 


展示のお知らせです。どうぞよろしくお願いいたします

烏山秀直HP https://www.karasuyamahidetada.com



PROJECT#30

​Group Show - "MATSURI"

Artists: Takuro Ishii, Ami Iwasato, Yuji Ota, Shin Okuyama, Kenzo Onoda, Seiko Onda, Ryuhei Kaiho, Hidetada Karasuyama, Ryuhei Kawashima, Kota Saito, saku, Misaki Sato, Akiko Shintsubo, Takeshi Tomoda, Tetsuaki Nanjo, Naoko Harada, moco, Rieko Yamamoto, Gisho Yuzan

15, 16, 17 July  2022

Open hours:

15 Friday | 16:00-20:00

16 Saturday | 11:00-20:00

17 Sunday | 16:00-20:00


プロジェクト#30

"わしの、あたいも(芸術)祭"

出品作家:石井琢郎、岩里杏美、太田祐司、奥山慎、小野田賢三、恩田聖子、海保竜平、烏山秀直、川島竜介、斎藤浩太、saku、里実咲、新津保朗子、友田威、南條哲章、原田直子、もこ、山本利枝子、游山義彭

企画・文章:烏亭(P•A•D)


会期:2022年7月15, 16, 17日

前夜祭 15(金)  16:00-20:00 

本 祭 16(土)  11:00-20:00

後夜祭 17(日)  16:00-20:00

入祭料:1日1000円、2日2000円、3日2000円

屋台風ナガサキケンサンピンほか冷たい物冷やしておきます。

協賛:見世真理乃、パロマ、諫早造形研究室、I・Z・K gallery、イサハヤゼミナール、小畑久美子、岸川宏子、北波慶子、ギャラリーカメリア、SEIKO、下村栞由、ナガサキファクトリー、野田邦弘、ボルケンホフ、モトノスタジオ、臨済宗大徳寺派興聖禅寺

— 突如ポストに届いた一枚の封書。それは我々の活動拠点である伊勢佐木町センタービルからの退去命令であった —

 

 あまりにも唐突で、現実味を感じられなかった。築65年を越えていればこんな日が来ることは頭のどこか片隅にはあったが、ガタはきていても用は足りるしこの先も存在するだろう、とどこか楽天的にも捉えていたのだ。まさか「その日」がこんなにも早く来るとは思っておらず、「退去命令」という決定事項に理解も気持ちも追いつかなかったというのが本音である。この空間が持つどこか現実離れしたというか、世俗と切り離されたような、あるいは世俗の末端のような、言い表しがたい感覚に慣れていたAZPメンバー一同に、この街からこの建物がなくなるという事実は衝撃を持って迎えられた。けれども、始まりがあれば終わりもある。その事実を受け止めたいま、この特殊性を帯びたAZPの代名詞的空間とこれまでに行ってきた数々の展示や作品に敬意を表し、そして今までここに携わってくれた全ての人たちに対して、この機会にいちど何かしらのお礼や感謝のアプローチを試みたいと考えた。できるだけ誰もが水平に、作り手側とそれを見る側が入り混じるような関係性が可能な空間を作れないか—そこで現れてきたのが「祭り」だった。


 一説によると、日本には大小約30万の祭りがあると言われている。幼い頃は両親に連れられて、思春期以降になると友達と自転車に乗って出かけ、祭りを口実に意中の人を連れ出した。中央にはステージが設けられ、のど自慢大会のようなカラオケ、子供たちによるダンスショーなどがプログラムに沿って進行している。そのステージ周りを数々の屋台が囲むように出店し、威勢のいい兄さん姉さん、渋いおじさんおばさんがジュージューと煙を立てて切り盛りしている。食欲を掻き立てられながら、金魚やヨーヨーをすくい、何だかよくわからない商品が当たるくじを引き、ピカピカと蛍光色が点滅するブレスレットだったりド派手に着色されたヒヨコやミシシッピアカミミガメが売られるなかで、祭囃子にのっかって、気持ちがどんどん高揚させられる。

 そして昨今、日本全国津々浦々でアートによる町おこし的な役割を持った芸術祭が加わり始めた(芸術祭という名称は、東京藝大の前身である東京美術学校の文化祭で最初に名付けられたらしい。だから「国際芸術祭」という言葉を初めて聞いた時には、あの文化祭が大規模で行われるものなのかしらと勘違いした記憶がある)。一時的に新型ウイルス感染拡大による開催中止や延期などの影響はあったが、ここ最近では着々と(虎視淡々というべきか)開催が発表され、アートの持つ繁殖力はさながらウイルスのようでたくましい。否、人々がその魅力を求め続けた成果が今結実してきているのであろう。乱暴な言い方だが、開催地の風土や歴史・特色を調査し、きっかけを基盤にディレクターの意図する芸術(アート)観でアーティストを選出し、それぞれの作家が作品を発表するそれらの祭りは、あの夕闇にぼんぼりが灯され風に揺られ、雑多なものが畳み掛けるように五感を刺激し続ける、高揚を強いられるカオティックな場としての「祭り」とはどうやら異なる類いのものなのかもれない。まつりとは「祀る」「奉る」「祭る」ことであり、神や先祖、動物、自然、目に見えるものや見えないもの、物質的なもの精神的なものなど多様な対象を崇拝・信仰することであるはずだ。そしてそれら崇拝対象に誰もがみな平等な役目・役割を果たすこと—みなが自然と入祭し、そこに真の水平が現れ、おおらかな全体感が生み出されることが重要だ。


『わしの、あたいも逸品 (芸術)祭 』では、解体が決定しているセンタービル3階のAZPスペースを祭り会場と定め、入祭者それぞれが持つこだわりの「逸品」とその魅力を発信する「己」、さらにそこへ集う者たちも崇拝対象となり、入祭する。音楽家であれば楽器や影響をうけたレコード、画家や彫刻家ならばそれなしには作品が成立しない道具、調理師や美容師であれば客に喜んでもらうための道具もそうであろう。また、どうにも捨てられずに手元にずっと置き続けてしまっている特に役に立たないものであっても、「逸品」と言えるだろう。そんな各々が持ち寄った自慢の、思い出の逸品についての詳細やエピソードを祭りの柱とする。入祭者も鑑賞者も「逸品」を発端にして存分に語りあう場となるだろう。夏の夜風が耳元まで運んでくる遠くの会話くらいにしか聞かれなくとも、話が逸れ脱線しても構わないではないか! 入祭者が持ち寄る「逸品」に共感を抱く必要はない。それは「己」のみが抱えた超個人的なこだわりの話なのだから。誰もが感嘆するようなものだけでなく、他人から見れば取るに足らない小さな逸品もあるだろう。有象無象が並び語り合う空間はまさにカオスだ。それは、抑えきれない高揚感を味わったあの祭り、展覧会とも呼ぶこともできない「我々の祭り」である。

 

 このセンタービルに30年以上も放置されていた大生商事。この旧印刷所を弔うかのようにその跡地で活動を始めたアズマテイプロジェクト。ここでの活動がカウントダウンを迎えるなか、AZP#30として7月15日の新盆から本祭をとり行う。入祭者と鑑賞者という関係こそあれ、祭りに関わる演者として共に入祭し、伊勢佐木町センタービルへ手向ける我々の(芸術)祭としようではないか。

 

烏亭 (P•A•D)

アズマテイプロジェクトでは、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から必要な対策を引き続き講じてまいります。

●「特措法に基づく緊急事態措置に係る神奈川県実施方針」

 

・社会情勢により会期の変更・予約制・延期・中止となる場合がございます。最新情報は随時HPにてお知らせいたします。ご来場前にご確認ください。

・ご来場に際してのお願い

・マスクの着用と、入場時の手の消毒にご協力ください。 

・スタッフはマスクを着用して対応させていただきます。

・換気のため窓を開けております。 

・発熱がある方、風邪の症状がある方、体調がすぐれない方はご来場をお控え下さい。 

・大人数でのご来場はお避けください 

・他のお客様との間隔をなるべくあけてご鑑賞下さい。