8月最終日。今日までの開催だった『菊畑茂久馬 回顧展 戦後/絵画』をみに長崎県美術館へ足を運ぶ。長崎県美術館は比較的まだ新しい建築のため展示会場が福岡の美術館よりも美しく、レイアウトも多彩に展開できそうなので菊畑氏の大型のタブローはすっきりと見えやすい。福岡市立美術館での展示も良かったのだが、壁面の黄ばみや会場のレイアウトなど苦心している箇所がみえていた。春風シリーズから過去の作品へと辿っていく構成なのだが、その中でも月宮シリーズを一同に見られることが出来大変有意義であった。「妖気と気配を立ちあらわす」と言っていた記憶があるが作家の一連のタブローシリーズ中でも思考と労働がうまく昇華され噛み合っている気がする作品だった。帰りは今展覧会の作品集を購入し日差しの強い中、近くの公園を散歩しながら長崎港を見つめる。