2011/02/07

スイス紀行 2日目・2

オープニングのパフォーマンスまでいくらか時間があり、オープニングパーティーでの食材、ビールやワインの買い出しに行ったりする。東亭さんと尚さんが食事の準備中、少し早い訪問者が来場し、対応に追われ2人は忙しそう。私はというと暇をしていて、というか英語が出来ないため何となく疎外感を感じたのか、展示場をうろうろと俳諧。ゆっくり作品を見ることができて良いかなの思っていた。そんな時、スタジオの作家の一人、Martin(マーティン)さんがスタジオから出て来た。挨拶をした後、わかりやすい単語で話しかけてくるが私には全く理解できずここでも英語を出来ないことを後悔してしまう、しかしMartinは諦めないでジェスチャーで「私のスタジオをみてみるかい?」(※あくまでも私の勝手な解釈です)と言われスタジオにお邪魔することにした。入ってすぐに目を引いたのが、日本風のお風呂があったことだ。スタジオが1階と2階にあるのだが1階のある部分に壁などを設けず、木の樽のような浴槽がある。「どうだい?本格的でしょう?」(あくまでも勝手な解釈です)といっているようだった。Martinは日本好きで過去に原美術館などで展示をしたこともあるそうで、浴槽の近くには日本的な扇子や、中国的な置物などが混在し一種独特な東洋的イメージが出来上がっていて、これはこれで素敵なものだと感じた、Martinがジェスチャー交じりで「湯船につかりながら、お酒(この場合熱燗でしょうか)をくいっと飲むと美味しいんだ」と嬉しそうに言った。スタジオの中はやや天井は低いもののやはり広く、様々な作業が一同に進行できるようで羨ましかった。ある場所ではドローイングを何十枚と描いている箇所があったり、web関係の作業場、立体作業場、平面作業場。それらを保管する棚など設けられていて参考にしたいと感じた。神奈川での作業場は部屋の1つを改装し、出来る大きさは2,4mが精一杯だった。が、引きで見ることは不可能だったしそういう所が不自由を感じていた。確かにアトリエを持つことが当然という時代では無いし、狭いなら狭いなりの制作や作品が出来ることも理解しているつもりだし、小さい分流通にのせやすいのも当然わかる。スペースが殆ど必要なく出来るものもある。少なからずそのような場所で制作していたが不自由さを感じた。美術展やイベントがそこかしこで行われているような場所では無いとわかっていても、私はアトリエの場所・制作の場所を移しかえた。そのようなことで満足するわけではないのだが作業がしやすくなったことは良いことだと思う。
話が逸れたが、Martinのスタジオにそんなことを考えながら、また展示場所へ戻っていった。